おいしい炊き方のすすめ

1、保存方法

おいしいお米を食べるために、しっかりと鮮度を保つことも大切。お米の保存に大敵なのは、湿気・高温・酸化・匂いです。キッチンのシンクやガスレンジの下には、湿気や温度が高く、他の食材の匂いが付着しやすい。お勧めは、風通しの良い冷暗所で他の匂いが付きにくい場所。米袋から米びつに入替えると酸化を遅らせる作用があると言われており、お米びつへの入替えをお勧めしています。適切な場所で保存されていても、精米後2ヶ月以上経過すると、お米の酸化が進み味に影響が出始めるので注意が必要です。

2、下ごしらえ

大切なのは、【計量】【すすぎ】【浸け】。意外と見落としがちなのが計量です。計量カップで正確に。すすぎで気をつけるのは最初の水。お米が最初に出会った水を多く吸収してしまうため、最初は多めのお水で2〜3回素早く大きくかき回して、すぐに水を捨てます。その後、3〜5回、水を変えながら繰り返しお米の表面の糠をすすぎます。あまり力を入れ過ぎないのがポイント。すすぎ過ぎは、お米の香りや旨みを損なう恐れがあるため、お水が白濁した状態から半透明くらいになれば大丈夫です。すすぎ後、お米に水分を吸収させるため夏場は30分、冬場は1時間程浸けます。水分の吸収が足りないとご飯に芯が残り、艶のないご飯に炊きあがってしまいます。

3、炊く

炊飯器の性能が向上したので、炊飯は炊飯器にお任せしましょう。全自動炊飯器は蒸らしを含めて炊き上がりをおしらせしてくれますが、旧式の一部炊飯器や業務用大型炊飯器、土鍋でガス炊飯の場合、火を止めてから必ず15分は鎌を取らずに蒸らしてください。蒸らしが足りないと、水っぽく弾力がなかったり、芯が残ったりしてしまうので注意。むらしを終えて炊きあがったご飯は、炊飯器内で必ずほぐし(しゃもじで大きく4つに切り、ご飯をそこから掘り返すように)を行って荒熱と余分な水分を飛ばしてください。ほぐしを行うことでご飯に艶と良い香りが引き立つようになります。

【おいしく炊くための道具のこと】

炊飯ジャーで炊く時、炊飯器容量の30%〜80%以内で炊くのがおいしく炊きあがる秘訣です。炊飯器の容量いっぱいで炊くと、炊飯中にお米がうまく撹拌されずに食感が損なわれてしまいます。
いちばんおいしく炊き上がる方法は、火力が強く、細かな火力や時間の調整ができる土鍋や羽釜での直火炊き。ただし、水温や火力を微調整する必要があり、最終的には職人的な技術が必要になります。ここではそんな土鍋や羽釜、業務用ガス炊飯器の特徴を、より美味しいいお米を食べたくなったら、挑戦してみてください。

【土鍋】

熱効率の良さと重い蓋で鍋内の圧力が高まり、艶と甘みが引き立ちます。家庭用のガスレンジで気軽に炊けるのがポイント。蓋の蒸気抜きの穴があいている土鍋の場合には、穴をふさいで使ってください。

【羽釜】

かまどでの羽釜炊きは、釜内の沸点が高まってお米の対流を促進し、香りや旨みが引き立ちます。おいしいおこげも特徴です。注意事項は火力。付属の固定燃料ではなく、高カロリーのものを使い、蓋も平らで大きく重いものを選んでください。

【業務用ガス炊飯器】

大きな内釜とガスの圧力で大量炊飯するため、おいしく炊き上がります。操作はシンプルですが、ガス圧の調整が必要。ポイントは容量の8割以内の炊飯にとどめることと、必ず15分〜20分は釜を開けずに蒸らすこと。蒸らし後、速やかに保管容器に移しながら撹拌し、荒熱を飛ばしてください。

4、食べる

炊きたてのご飯は、必ず上下をほぐしてください。約90〜95℃ある炊飯したてのご飯は、高温過ぎるため旨みや香りを感じることができず、味のないご飯に感じてしまいます。炊きたてご飯の最適温度帯は65〜80℃。ほぐしを行い保存容器に入替えた頃が最適の温度となります。40℃以下に下がった時は、なくなった甘さを復活させるためにすこしお塩を入れてみてください。残ったご飯はそのままジャーで高温保存してしまうと、約2時間で劣化が始まってしまいます。ツヤと香りがなくなり、変色しても粘りもなくなっていきます。お茶碗1杯ずつの容器に移して粗熱を飛ばし、ラップに包んで常温にした後すぐ冷凍保存してください。

【おいしく食べるための道具のこと】

昔ながらのヒノキのおひつは、炊きたてのご飯を保存するには最適です。余分な水分をヒノキが吸収してくれるため、食感が増すのです。保存の際、蓋の内側に布巾をかぶせておくと、さらにツヤも増してご飯が立ってきます。新しいヒノキのおひつは香りが強いので、使用前にお茶に3日ほど漬け置きしてください。

【おいしいおにぎりのお塩について】

握る手に水をつけて、そこに塩を振ってから握る”手塩”が良いとされています。直接ご飯にかけてしまうと塩の結晶によりおにぎりの食感が悪くなってしまいます。一般に流通している人口の塩化ナトリウムでは味が強すぎるため、ミネラル分が豊富な天然もので結晶が小さなものが良いでしょう。

【冷凍ご飯の注意と裏ワザ】

保存しておいた冷凍ご飯をおいしく食べるには、冷凍と解凍の方法が大切です。冷凍前の粗熱を取る行程で、ラップに包まずにそのまま放置すると、ご飯が乾燥し解凍後のごはんが硬くなってしまいます。解凍する場合には、レンジを60〜65℃の温度設定にしてください。解凍温度が高すぎるとご飯が硬くなったり、団子になったりしてしまいます。冷凍ご飯をふっくらご飯にするための裏ワザ。解凍中にラップを開けて水を数滴垂らしてみてください。冷凍中に失われた水分が回復してふっくらします。

おいしいお米の炊き方 動画

おいしいお米の炊き方を動画でも紹介しています。

是非ご参考ください。